大沼 (函館本線) 2004

&  Ektachrome Years

2004

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七飯から藤城線に分岐した下り列車は、幾つものトンネルを潜りながら勾配を登り詰め、最後の新峠下トンネルを抜けると左車窓に小沼の湖面が突然に開け、駒ヶ岳も遠望する。道内へのエントランスでの観光客向け演出としては申し分無い仕掛けである。もっとも、今では青函トンネルを通り函館から道内入りする観光客など少数派であるから、これの観客も少ない。その昔には、観光シーズンの特急列車内ではこのシーンに歓声の上がり、タイミング良く乗客専務による観光アナウンスのあったものである。


この小沼畔区間で湖面との組合せの撮れる足場は少なく、大沼駅前からの道道333号大沼公園線(1994年10月1日付にて338号線に番号変更)が湖岸に張出した丘陵を越えるピーク付近が該当したのだが、道道脇の樹木の成長にて遮られ、それは低く降りた位置に限られてしまった。そして、そこしかなかった駒ヶ岳を背景とする大沼側の景観も失われたのだった。

1991年3月のこと、国道5号線の拡幅にともなう新大沼トンネルの新設により、大沼トンネルの下り方抗口で接していた道道333号線は、その交点を改められ付替え区間に函館本線の上下線を越える大沼跨線橋が架けられた。これにて函館上り線の旧交点付近からの俯瞰→仁山信号場-大沼 (函館本線) 1983 は困難となったものの、この跨線橋上が新たなポイントとなり、かなり位置の低いけれど駒ヶ岳を背景に小沼の湖面を俯瞰する画角となった。函館-大沼公園間での蒸機の展示運転などを通じて、今では鉄道屋に定番の位置なのだが、直下を往く列車とこれらを画角に収めるには広角系の装着となって、駒ヶ岳の存在の弱くなるのが難点ではある。


写真は、峠下トンネルへと向かう3084列車。

木々の黄赤に染まる季節となれば、駒ヶ岳よりもこの画角だろうか。


[Data] NikonF5+AiAF Nikkor ED 180mm/F2.8D   1/250sec@f4+2/3 C-Polarizing filter 

                                                                           Ektachrome Professional E100GX [ISO160 / 0.5EV push]   Edit by CaptureOne5 on Mac.

 
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